vintagejoin 代々木SHOP

代々木3丁目にて小さなヴィンテージオーディオSHOPを営んでおります。 オーディオ的なサウンドではなく気持ちよいサウンドを提案しております。 www.vintagejoin.com

2015年09月

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アナログは相性と全体のバランスです。と今までも言って来ておりますが、バランス?相性?
と言っても具体的に言って貰わないと分りません!という方も多いかと思います。
あくまでも私見ですが、当方は見て聴いて来た事を書きたいと思います。
これは違う!と思われる方もいるかもしれませんが、しがないSHOPの独り言として読んで下さい。

分り易くバランスの悪いと思われる組合せを書いて行きます。

1)軽針圧カートリッジとアイドラー
  よほどキチンとメンテナンスされたプレーヤーであれば、、とも思えますが全般的には
  軽針圧のカートリッジはベルトなどのSNの高いプレーヤーとの組合せがベストになります。
  アイドラー全盛期には軽針圧のカートリッジは有りませんでした。
  アイドラー全盛期にはマルチ録音やデジタル録音も有りません。
  分解力重視のカートリッジにはベルト系が合っていると思います。

2)アイドラーと軽針圧系のアーム
  こちらも上記と同じですが、軽針圧のカートリッジにはアームのトレース能力が
  求められます。SMEのアームによって軽針圧系のカートリッジが花開いたと
  言っても良いでしょう。アームとカートリッジがセットと考えると良いかと思いますので
  軽針圧系のアームはSNの良いプレーヤーとの組合せがベストとなります。

3)アイドラーと積層キャビネット
  アイドラーは本来、フローティングと薄いキャビネットにてモーターの振動を分散させて軽減する
  スタイルになっております。ガラード301もマニュアルにはキチンとボードをスプリングでと
  提案しております。なぜか日本ではモーターの振動を重くてがっちりしたキャビネットで無理やり
  抑える方法が採られておりますが、この方法はかえってアームなどにゴロをそのまま伝えてしまう
  ケースも見られます。そのようなキャビネットに神経質なアームを付けるとなると最悪の組合せに
  なります。モーターの振動を上手く逃がす!この方法は本来のアイドラーのキャビネットになりま
  す。

4)モノラル再生とベルトドライブ
  モノラル時代にはベルトドライブのプレーヤーは無かったと思います。(厳密には60年代後半では  被ります。)当時の盤をキチンと鳴らそうとするとトルクの有るプレーヤーの方が明らかに再生に有  利になります。音を聴けばすぐに分ると思いますが、古い録音をメインで聴きたい場合にはトルクの
  有るプレーヤーの選択がベストになります。

5)モノラル再生と軽針圧カートリッジ
  モノラル時代には軽針圧カートリッジは存在しておりません。音圧もステレオレコードより確実に
  出て来ますので、針圧をちゃんと掛けて上げてトレースする方が安定感のあるサウンドを楽しめま
  す。

6)モノラル再生とパイプアーム
  こちらは全てとな言いませんがモノラル再生はパイプよりも太いアームで再生した方が空気感が出て  来ます。カートリッジと同じようにがっちりとしたアームの方が安定感が出ます。こちらも聴いてみ  ればすぐにわかるかと思います。

7)現代のプレーヤーと古い録音(40~70年代中旬)
  こちらも全てとは言いませんが、今のプレーヤーはSNやワウフラッターを出来るだけ良くと
  繊細なプレーヤー作りとなっております。デジタル録音になってマルチ録音にてマイク数十本と使用
  しているような分解力重視の録音の再生には適しているかと思いますが、古い録音のガツンとした音  が今のプレーヤーでは出て来ません。


アナログレコードと言っても全部同じ作りではなく、初期のアナログ録音から現在のデジタル録音と様々な音作りが年代によって変わって来ております。機器も音源も時代によって変わって来ております。
残念ながら全ての時代の音源を気持ちよく鳴らせるプレーヤーやカートリッジは無いかと思います。
自分が聴きたい音楽や年代によって、機器やカートリッジの選別をする事により無駄なくアナログ機器の
選別や組合せが出来て行けるかと思います。音源や年代とのバランス、そして聴きたい音源の時代にはどのような機器で聴かれていたのかを調べてみるのも良いでしょう!

当店にも様々なお客様が来られますが、アナログが上手く鳴らない!と言われている方のお話を聴くと
音源と機器のバランスが合っていない方が殆どです。上記のバランスはオーディオ雑誌でも殆ど記載される事は有りません。この機器で鳴らない音源、相性が悪い!とは特にハイエンド系のアイテムに関しては
メーカーよりのクレームが怖くて雑誌社は書けないのが現状です。

使いこないしにより相性が悪いと思われる機器の組合せでも上手く鳴らしている方もいるかと思いますが、よほどの上級者でもない限り難しいでしょう!

アナログは全体のバランスです!このバランスというのをもっと意識してみましょう。
  

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エンジニアにメンテナンスをお願いしていたTelefunkenのEL84PP アンプがやっと戻って来ました。

夏前には大丈夫かな?と思っていたのですが、出力トランスが断線しており、Telefunkenのトランスの取り寄せに時間が掛かってしまいました。

このAMPは業務用の物のようで、何かしらの音響機器にインストールされていた物のようです。オリジナルのSiemensのセレン整流にて良い感じで鳴っております。

倍音がとても綺麗に乗るので聴いていてとても気持ち良いサウンドです。
この辺はセレン整流が効いているのかと思います。
レンジも広いようで低域も気持ち良い音の出方をしております。

当時のtelefunkenの出力トランスは特性も非常に良くワイドレンジでしたので、出力トランスがとても活きていると思います。

久しぶりの真空管AMPですが、この音で有れば当方も安心して聴けるサウンドです。

欲を言えば、無音時の残留ノイズが多少気になりますが、当時の真空管AMPではこんな物かと思います。

前段のECC83等はtelefunkenにてセレクトしております。

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VintageJoinではシンプルでコンパクトなシステムを提案しております。
余分な装置、回路は要らない!というコンセプトにて機器は小さくなります。
そして無理して音を出さないような設計にて心地よい音楽が楽しめます。
写真のシステムは右からElac Miracord10というアナログプレーヤー
次がMCステップアップトランス(SPU用)
そして2段重ねの上段がフォノプリアンプ(入力2系統仕様)にてCD等も入力可能です。
下段がステレオパワーアンプ(ドイツモニターAMP仕様)
ワイドでプレーヤーが360mm、パワーAMP等が220mmととてもコンパクトに仕上がって
おります。
実際にステレオ再生であればこれで十分かと思います。
熱も出ないし、無駄な電気も食いません。

シンプルに良質なアナログを楽しむ!
音楽が主役になり、聴くのが楽しくなると思います。

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本日は朝からフォノプリの特注品の組み立てをしておりました。
信号系のプリやフォノは組み立てにもとても気を使います。

当店ではアナログ再生ではプリアンプの使用を推奨しております。

通常ですとフォノイコライザーアンプとプリアンプと2個購入しなければ
ならないのですが、もっと手頃に!という事でフォノとプリを一つにした
商品を作っております。

これってプリアンプにフォノイコが内蔵された普通のプリでしょう!

と思われるかもしれませんが、入出力系統1系統にてあくまでもアナログ専用機
になっております。

今回の特注品はセレクタを付けて入力2系統にてCDとアナログの両方楽しめる
プリフォノが欲しいとの事でした。

先程からアナログとCDを切り替えて音出ししておりますが、セレクターを入れる事に
よる音の劣化も殆ど分りません。
良い感じで鳴っておりますので、セレクター付きも今後のラインアップとして良いかも
しれません。

作る方は結構気を使って大変ですが、今後も希望があれば対応したいと考えております。

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昨日の続きとなります。

4)オークションなどでの購入
 最近は個人だけでなくSHOPなどでもオークションを使って販売するようになって来ました。
 プレーヤーはAMPなどとは違いメカニックになりますので、抵抗やコンデンサ、または同規格のIC を交換すれば、という訳には行きません。特に年数が経っている物は調子が悪くなったらもう修理出来 ないという物も多いので、金額で割り切るか、キチンと下調べをしないとかえって高い買い物になって しまします。ベルトドライブの場合はまずはベルトの予備が手に入るか、アイドラーの場合はアイド  ラーの予備が手に入るか?などの確認をしておきましょう。一番やっかいなのがICサーボによる回転 制御タイプになります。ICが手に入らないので修理が出来ないという話もよく聞きます。昔のDenon, Micro,Dualなどのタイプがそろそろ怪しくなって回転が安定しないなど要注意です。
 オークションなどの個人売買などは安く購入出来ますが、基本的には自己責任になりますので購入の際 には相手やプレーヤーのコンディションなどをよく理解したうえで購入するようにして下さい。
 上級者にはお薦め出来ますが 初心者にはお薦め出来ません。

5)SHOPでの購入
 実物を見て、聴けるのでSHOPでの購入が一番ベストなのですが、最近はSHOPで物だけ見て購入 はネットSHOPで!という方も多いようです。アナログプレーヤーはカートリッジ、フォノイコ、そ の他の機器を含めてトータルで音を作って行きますので、その辺を良く知っている人はそれでも良いか もしれませんが、アナログ初心者、中級者の方は出来るだけSHOPで購入した方が色々と相談出来ま すので良いかと思います。
 ではSHOP選びはどうするのか?まずはSHOPでアナログの音を聴いてみて下さい。
 自分の感性と合わないようであればそのお店は止めた方が良いです。またやたらと高い商品を進めて来 て、金額で音のグレードを語るお店も止めた方が良いです。
 安いカートリッジ、システムでも良い音で鳴らすのが良いSHOPだと思いますし、お店の実力が分り ます。
 アナログプレーヤーは何度も言いますが、システムの一部に過ぎず、良いプレーヤーを購入すれば良い 音が出せるという物では有りません。全体のバランスと使いまわしがとても大事になりますので、その 辺をキチンと相談出来るSHOPを見つけるのが一番良いかと思います。アナログをどれだけ楽しんで いるか?も基準となるでしょう。

6)どのような年代のどのようなジャンルの曲をどのような音で聴きたいか?
 アナログレコードと言っても、SP盤からモノラル盤、7インチ盤、10インチ、そして12インチモ ノラルにステレオ、アナログ録音にデジタル録音、マルチ録音など様々な種類が有り、音作りも違いま す。おおまかでも良いので自分がどの年代の音楽、ジャンル、そしてイメージする音を決めて行って下 さい。残念ながら上記の様々な盤を全部上手く鳴らせるシステムは無いかと思います。
 自分の聴きたい音を上手く鳴らせるシステムを作って行くのが一番の近道で余分なお金も掛けなくてい いかと思います。そして出来るだけ自分の脚で回って色々な音を聴いてみて下さい。レコードイベント も最近は多くなって来ておりますのでまずは色々な音を聴いてみるのが良いかと思います。

7)オーディオ雑誌
 当方も色々な雑誌編集者達とお付き合いが有りますが、最近の雑誌を見ていると新しい商品を買わせる 為だけの文章で、本当に必要な使い回し方など有意義な情報が殆ど有りません。アナログシステムは相 性が有りますので本当は、このような盤には向いているが、このような盤には向いていない!と紹介し ないといけないのですが、メーカーよりのクレームが怖くて誰もマイナス面を語ってくれないというの が現状です。ですから紹介記事を読んでいても良いという事しか分らず、組合せによる最悪な相性など も雑誌の評価だけで購入していると出てきてしまいます。全ても物には、良い点と悪い点が有りますの で購入する際にはお店の人に良くその辺を聴いてみて下さい。けっしてオーディオ雑誌の評価を鵜呑み にしては行けません。評論家の自宅に無償で貸し出ししているメーカーがいくつも有るのが現状です。

今回も長くなってしまいました。最近はWEBなどで色々な情報がすぐに調べられるようになって来ており便利ですが、やはり実物を見て、聴いての選択が一番かと思います。

 

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