どのようなAMPで鳴らしているのでしょうか?
という事にて前回書いて見ましたが、良くも悪くも反応が有りました。
ドイツの民生用の機器の情報が少ない!という意見も有りましたので簡単では有りますが
当方が見て聴いて来ての印象などを書いてみたいと思います。
20年代から30年代のエンクロジャーにインストールされたシステムですが、大まかに言うと
4種類のタイプが有ります。
当方は今までに約40個以上の当時のシステムを見て聴いて来ております。
今でも20個以上の在庫を所有しており実体験からの印象になります。
1) マグネチックスピーカー初期型
20年代の初期のスピーカーになります。バッテリー式の真空管レシーバーとの組み合わせが主流だったと思われます。初期型というのはフレームがなく12インチ位の紙の円錐形の頂点にマグネチックのコイルが付いたタイプになります。円錐型の開いた部分はバッフル板に接着されております。
エンクロジャーは薄い合板でつくらており基本は密閉になります。
振動盤になるコーン紙も画用紙のような厚い紙が多く、針金の先のほんのわずかな振動を音にします。
箱はコーン紙とコイルを固定するのが一番の役割だったと思えます。
2) マグネチックスピーカーフレーム型
次に金属性のフレームにコーン紙が固定されるようになります。コイルの振幅も大きくなり下手をすればフレーム鳴きがする位の音が出るようになります。
箱も初期型よりは頑丈に作られるようになって来て、背板にも背圧抜きの穴が開いてくるようになります。戦中に入るとスチールが軍事産業に取られて不足して来ますのでフレームがオガクズを硫黄型で固めた物になります。
日本でも戦時中や戦後に多く見られたと思います。
音のほうは、スチールフレームよりもこちらの方がフレーム鳴きがなく素直に感じます。
3) フィールドスピーカー
30年代に入ると当時の高級電蓄やラジオに使われるようになります。マグネチック型よりもレンジも広く
大きな音が出るので必然と箱の方もシッカリとして来ます。
シッカリとしてくるといってもバッフル板がしっかりしてくる感じで、側板は天板は相変わらず薄い合板を使用しているます。固めのバッフル板にMENDEのようにユニットも大きな面で抑えるタイプが多く見られます。角型フレームといえば分かりやすいでしょうか。
このころの背板は穴がいっぱい開いたタイプが多くなります。またベークライトのものも見られます。
4) ダイナミック型永久磁石型スピーカー
30年代中期以降となると、今と変わらない永久磁石を使ったスピーカーが出てきます。ユニットは9か10インチ位の8インチよりちょっと大きいサイズが多く、磁石の形も今とは違いボイスコイルが丸見えのタイプになります。
箱は基本フィールド型と同じですが、密閉型も見られますが基本、吸音材は入っておりません。。
細かい収まりなどその他、色々と有るのですが実物を見て説明しないと分からないかと思いますので簡単では有りますが、戦前のドイツのシステムについて書いて見ました。
次回は戦後から50年代のシステムについて書いてみたいと思います。
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